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リン玲子レインズの経験はビジネスの開発、交渉、教育、建設及び開発、農業など、多岐に渡っています。

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日本で生まれ育ったことにより、私は、日本では教育がいかに重要視されているかは身にしみて理解しています。子供に最高の教 育を受けさせるためにすべてを犠牲にする親というのは、日本あるいは中国、韓国といった国に独特なものです。よって、私は、日本とオーストラリア間の関係 を強めることで、教育の分野で双方に理想的な結果をもたらすことができればと考えています。

私自身、日本では慶応義塾大学を卒業し、オーストラリアではゴールド・コーストにあるボンド大学で、MBA と財政学の修士号を取得し、日本とオーストラリアの教育の恩恵を得ていると言えます。

MBA を取得後、ボンド大学及びボンド大学付属英語学校の国際マーケティング部長の職に就きました。世界各国からの留学生を募るのが職務ですが、日本出身という ことから、特に日本からの留学生に関しては、すべての問題解決の窓口となっていました。学生、両親、日本の高校や大学の先生方からの相談、照会を取り扱う 毎日でした。日本からの留学生が、費用と時間を費やしてオーストラリアで勉強した成果を日本への帰国後活用して成長して行くのを見守るのは、実に満足感を 得られます。この職に就いて2年目にボンド大学は、エキスポート・アワードを受賞しました。

オーストラリアに移住することになった際、ある ひとつの夢を持っていました。それは、日本の学生の英語力を改良することに何らかの貢献ができないかということです。それまでに日本で関わった様々な日本 企業と外国企業との間の商談の際、残念ながら、日本人の英語力の乏しさは数多くの場で痛感していました。必死で大学受験勉強をこなし、一流大学を卒業し て、一流会社に就職しても、一歩外国へ出ると後ずさりしてしまう多くの日本の会社員、そのような現状を改革する方法があるはずだと、常に考えていました。

また、ボンド大学でMBAのコースの勉強をした際にも、試験ではトップのスコアーを取る日本人学生がクラスでの発言は皆無に等しく、プレゼンテーションはオーストラリア人や他の国からの留学生に任せるのを目の当たりにし、歯がゆく思いました。

も ちろん、英語力を伸ばすだけで、すべてが順調に行くものではありません。しかし、英語さえもできなければ、コミュニケーションはどうなるのでしょうか。私 は、いつも、英語ができるかできないかは、頭の良し悪しではない。英語を話す国に生まれば、誰でも英語を話すのだからと、言い続けて来ました。

今 後、英語を習得する必要性が更に自覚されるようになり、日本の学生がオーストラリアを留学先に選ぶ機会は増えると確信しています。それは、他の国と比べて 日本との時差が少なく、また、比較的安全な国だからです。空気は澄んでいて、オーストラリア人はフレンドリーだというのが、訪れる日本人の一般的な印象で す。ボンド大学の仕事をしていた際にも、ローカルの人たちや、ホームステイ先からも、日本からの学生は歓迎されていたのを記憶しています。

ゴールド・コーストでの日本およびオーストラリアの企業が取り組んだ、建築、開発事業にも、初期の段階で参画しました。

日本企業では、大京が最初で、その後、ホープ・アイランド・リゾートの開発をした、シンコーや奈良建設などがあります。ゴールド・コーストの開発業者がマンションの建設を企画した際には、日本市場へのアプローチの支援をし、その会社は後日、日本からの開発業者とのジョイント・ベンチャーに取り組みました。

東京のリゾート会社がホテルおよびゴルフコースを開発する企画や、フランスでシャトーを買った会社のゴールド・コースト進出の話あいなどにも関わりました。この会社が、将来、ゴールド・コーストで働く社員はアメリカではなく、ゴールド・コーストにあるボンド大学のMBAのコースで勉強させるべきと考えた社長の依頼により、コースの内容を調べることになったのが、私自身がMBAの勉強をすることになったきっかけです。日本の人口の老齢化と、人口の縮小は、多くの企業が将来の市場の確保には海外進出に不可欠と考えるようになっています。

これにより、以前のオーストラリアでの経験は決して好ましいものではありませんでしたが、日本はオーストラリアを比較的安全で、将来、生き残るために不可欠な市場と見なし、Uターンが始まっています。

日本の人たちは、オーストラリアがクリーンでグリーンな国で、そこでできる食物は安全で質が良いと考えています。これは牛肉だけには限りません。

東京で国際ビジネスコンサルタントの仕事をしていた際、顧客の外国企業が扱っていた物には牛肉、クレイフィッシュ(日本ではロブスターとして出されていました)、たまねぎ、ワイン、チーズ、からすみ(ぼらの卵を塩漬けにし、乾燥させた物、長崎名産)ドライ・フルーツ、チョコレート、オリーブオイル、ミューズリバーなどがあります。

農産物、加工食品など、日本市場に紹介できる物は色々あると思われます。たとえば、マンゴです。クィーンズランドでできるマンゴをはじめて食べて依頼、どうしてこんなにおいしくて安いマンゴを日本で売れないのかと疑問に思い続けて来ました。高級品として、少量のマンゴは日本へ送られているようですが、たくさんのマンゴが安価で日本で食べられるようにはできないものでしょうか。

日本の市場に参入するのは、たやすいことではありません。日本の市場を開拓する企業に取って頭の痛いことは、日本の込み入った流通システムを理解したり、言葉の障壁やその他の問題を乗り越えて両者の利益となる長い付き合いをどのようにすれば構築できるかということです。ただ、その障壁を越えて、信頼関係ができれば、もっとも信用のおける長いビジネス関係が生まれるのです。

ブリスベンにあるギリシャ系の同族会社が日本の三大珍味のひとつであるからすみに目をつけ、その生産輸出をするため、私どもの会社にアプローチしたのは、20年以上も前のことになります。その長い付き合いの中で、ある日本の大手の製粉会社がレトルト食品として、からすみスパゲッティーを作ることになりました。この会社は世界中の36社のからすみを調た結果、このブリスベンの会社の物を選ぶことになり、そして、からすみの粉末はフランスの会社を選びました。1年近く、私は、パリにある工場の視察も含め、ブリスベンの会社、パリの会社と日本企業の間のすべての調整に取り組みました。ようやく、製品はできあがりましたが、残念ながら、市場の受けは良くありませんでしたが。日本の会社は毎年新商品を市場に出すために、多大な費用と労力を費やします。

私がゴールド・コーストに住んでいた際、日本向けのオーストラリアのミートパイを作った日本企業とオーストラリア企業の合弁会社がありましたが、3年(噂によると)もかけたあげく、ヒット商品にはならなかったようです。

オーストラリアの質の良い原料と日本のノウハウや技術を組み合わせて、どちらの国でも人気のある製品を生み出すことは、可能であると考えています。

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